MRIの読影のコツ(T1は基本黒、T2は基本白)

高原先生のm3.comセミナーに先日参加しました。MRIの読影について非常に分かり易い見方を紹介されていたので、こちらでもまとめていこうと思います。あくまで私見を交えたまとめですので、参考まで。

(MRI自由自在という本にも紹介されているものなので、そちらの方がより正確かと思います。)

MRIの読影のコツですが、T1は基本的に黒く、T2は基本的に白いと考える。

例えば、T1では縦緩和時間の長い水が一番信号強度が小さくなり、T2では逆に水の信号強度が大きくなる(白くなる)

このため、炎症部分も基本的には血管透過性が亢進していて、浸出液が多いので、液体成分が他の組織と比べて多い。



従ってT1では水も黒く、病変も黒い。T2は水は白く、病変も白い。これが基本。
(上の写真の出典はRadiopaedia)

T2で白い場合は、すごく白ければ、急性炎症・良性腫瘍。やや白ければ、慢性炎症・悪性腫瘍である。

悪性腫瘍の場合、急速に増殖し、細胞間質が少ない為、内部の液体成分がすくないのでやや白に。良性腫瘍の場合は、細胞間質があり、ゆっくり大きくなるので、内部の液体成分が多いぶん、すごく白くなる。(これはあくまで6割程度該当するルール)

T1は基本的に逆のコントラストをとる。

これだけ見るとT1とT2は表裏一体の関係になっているように見えるが、何故両方撮像するのか?というと、例外が必ずあるからです。それを見つけられた時は何らかの所見が考えられます。

T1で白い病変、T2で黒い病変、それはコントラストの例外です。例外は診断の尤度を高めるきっかけになります。

T1でもし病変が白かったら特異的で、可能性として脂肪か血腫(粘稠度の高い液体)が考えられ、脂肪抑制で撮像すると、脂肪かどうか分かる。

T2でもし病変が黒かったら特異的で、へモジデリン(マクロファージが貪食して代謝される強磁性体=めっちゃ黒い)や線維化(がちがちになっていて水がない)を考える。

因みに検査名としてよく出るMRCPは、Heavy T2でもよいのだけれど、脂肪抑制したT2強調だと考えるといいかもしれない。DWI B=0は強調度0の拡散強調=>脂肪抑制のT2である。

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